■だったら人なんか死なすなよ

 7割くらいそういう話題性を狙ったことをやりながら(キョンキョン出したり、れなぁにエロいこと言わせたりもそう)、残りの3割でめちゃくちゃに切ないSFをやってる。

 昭和から令和にタイムスリップしてきたら、自分と娘がもう死んでいることを知ってしまう。そういう状況に置かれたとき、父は昭和に戻って娘に何を伝えられるのか。君たちはどう生きるのか。社会派話題性優先ネットニュースウハウハドラマの添え物としては、このタイムスリップ譚としてのプロットは、よく出来すぎている。「ドラマを見たい」と思っている私たちにとっては、あまりにも展開に期待を抱かせすぎる。

 しかも、今までも震災についてだけは照れもヒネリもなく真正面から向き合ってきたクドカンだからこそ、本当はこれがやりたいんだろ? とそっちにばかり共感してしまう。

 添え物だったら、最初から軽々しく震災で人を死なすなんてことしないだろ。しないよな、クドカン。そう思ってしまうんです。

 でも、もう無理よな。最終回だけちょっとそっちのテンションに持ってったとしても、もう無理と思う。震災で人を殺してまで刺したかったところには、このドラマは刺さらない。ありていに言って、被災者には届かない。

 今回はほんとに悲しい気分になっちゃった。そんな感じで、最終回を待ちたいと思います。

(文=どらまっ子AKIちゃん)