■『ふてほど』話題性の正体

 一見、パワハラ・マタハラ問題を扱ったように見えるんですよね。わんちゃん(仲里依紗)が社内報のインタビューで語った以下のセリフ。

「私のまわりにも計画的に妊活している女子社員いますけど、そういう子たちに言いたいのは、人生なんて思い通りにならなくて当たりませなんだから、ある程度流れに身を任せる心のゆとりっていうか遊びを持ってたほうがいいと思うんです」

 これにひとりの女子社員が咬み付いて、「アウティングですよね」と言い出す。私のことだからアウティングだと。

 こんなのアウティングじゃないよね。そんなことは作ってる側だってわかってるけど、アウティングという言葉を使いたいから、女子社員に告発をさせなきゃいけない。

「マタハラですよね。許せない。遊びが必要? ふざけんなよ、遊びじゃねえんだよ!」

 この女子社員は、アウティングとは別のところで怒っている。というか、八つ当たりをしている。しかもこの女子社員を、ドラマは「結婚もしてないのに彼氏ができたらすぐ妊活する変な女」として、つまりは揶揄の対象として登場させている。