響ちゃんが父とともに訪れた「別の世界」は、本当に音楽が楽しかった幼少期でした。いつもピンク色の小さなバイオリンケースを背負っていた、ヨーロッパでの日々でした。

 誰にでも、こういうことが起こるんです。

 今こうして、5年ぶりくらいにドラマのレビューを書く仕事をしています。お金のために仕方なく片手間で再開しただけですし、連ドラをちゃんと見るのも5年ぶりになります。まあ、面倒です。それでも、こうやってちゃんと視聴者に向けていいものを届けようという強い思いを抱いているドラマがあって、原稿を書けば丁寧に読んでくれる校正スタッフさんがいて、密かに待っていただいていた読者の方の存在なんかを知るとですね、嫌いじゃなかったよなぁと感じるんです。熱情ってほどじゃ全然ないけど、この作業、嫌いじゃなかったよなぁと。

 まさか作っている人にこのレビューが届くなんて思ってませんが、ちゃんと“自分ごと”として受け取ってますよという、これは、この作品への賛辞です。はい。

(文=どらまっ子AKIちゃん)