■いよいよホラーになってきました
今回もっとも重要なシーンは、雨ちゃんが太陽くんに「おまえの命を助けるために五感を差し出した」と白状するシーンです。もとより雨ちゃんは一生黙っていようと思っていましたが、死神の口車に乗って、あっさり翻意。触覚を失って階段から転げ落ち、運び込まれた病院でそれを打ち明けます。
当然、太陽くんは号泣。俺が奪ったんだ。俺が奪ったんだ。
きついと思いますよ。好きな女の子が自分のために五感を失っていく。そんなの地獄だよね。
なんでこの人、こんな地獄を味わうことになったんだっけ、と思い出してみます。
高校のとき、雨の日に昇降口で傘を差し出したのがきっかけでしたね。確か、どっかで雨ちゃんを見かけて「あの子を笑顔にしたい」と思ってたとか、そんな話でした。要するに顔だけね、顔だけ。
「お天気雨の日に赤い傘に2人で入ったら、運命の赤い糸で結ばれるんだよ」とか言ったり、服を着たまま川に飛び込んだり、放送室から全校放送で愛を叫んだりしてるうちに仲良くなっていくわけですが、太陽くんはこのときまだ、雨ちゃんが虐待サバイバーだとは知りません。単なる顔がかわいい陰キャの子くらいにしか思ってない。