「僕の強みは、在米33年なので中身はアメリカ人なんですね。大人になったのがアメリカなので、日本語がむちゃくちゃ上手いアメリカ人だと思ってもらったほうが、僕という人間を理解してもらうにはいいと思うんです。でも日本育ちなので、ハリウッドでよくある、ちょっとおかしな日本というのはダメだよ、というのはわかるんです。どうしてちょっと違うJAPANがアメリカ人にウケるのかもわかる。そのミックスというのは、普通のアメリカ人監督にはできない、普通の日本人監督にもできない。それが僕にはできるのかな、というのはありますね」

 最後に、光武は撮影中に起こった素敵なミラクルを教えてくれた。

「この映画は特殊メークがかなり重要だったんです。すごい予算もかかった。でもね、いろいろなトラブルを持ってきたのが特殊メーク部でもあったんですよ。そこに、奇跡的に大物の特殊効果マンが参加してくれることになったんです。ジェイっていうリタイア寸前のお爺ちゃんなんですけどね」

 それは、光武の芳醇なキャリアが生んだ再会だった。