転職後のトラブル(2) 入社前の条件と実態が異なる

労働環境についても、転職後に「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えてしまうケースが見受けられる。転職前になかなか把握しにくい社内の雰囲気や企業文化に関するケースにおいて多いが、実際の業務内容や本人のポジション、残業時間や代休の取得など、予め確認しやすい内容についてもこうしたトラブルは発生しがちだ。

最も重要なことは、転職前の時点で転職先の企業としっかりとコンセンサス(合意)をとっておくことだ。採用条件を明記した採用決定通知書や就業規則の確認と質問などをしっかりしておくことで、例え転職後に労働環境が事前に合意・確認した内容と異なっていても、その後の話し合いもしやすい。

転職時の状況にもよるが、採用が最終的に決定する前は転職先の人事担当者に細かな質問をしにくいこともある。しかしそこで曖昧にしていたことが、あとあとになってトラブルの種になる。分からないことや不明瞭なことは、早めに人事担当者などに確認し、場合によっては書面に残してもらうことも必要になるだろう。

しかしどんなに中身を確認したり、合意したりしていても、実際に働いてみたら条件と異なるケースは多い。その場合はまずは人事担当者に説明を求め、場合によっては経営層や管理職に相談することも必要になるだろう。

人材紹介会社や転職エージェントを通じて転職した場合は、当時の担当者に相談してみるのも一つの方法である。いずれにしてもあまり喧嘩腰にならず、冷静に話し合いを進めていく必要がある。

転職後のトラブル(3) なかなか結果が出せず……

経験者採用などとして転職先の企業に勤めることになった場合、会社側はその人に対して即戦力的な活躍を求めていることも多い。面接時にもそういう趣旨のことを告げられることもあるだろう。そんなケースにおいて、転職後になかなか結果が出ない状況が続くと、自己嫌悪に陥りやすい状況になる。

しかし、転職前の会社と全く同じ業務が求められている場合でも、すぐに結果を出すことはたやすくない。報告や確認のリズムが違ったり、同僚との連携が最初はなかなかうまくいかなかったり、労働環境のさまざまな違いが相まって、なかなか結果を残せない状況が続くということもある。新規事業の立ち上げや、自分が挑戦したことがない分野に取り組む際はなおさらだ。

その場合は思い切って、周囲の同僚などに相談してみることも一つの方法だ。人事担当者からアドバイスを受けるという手もある。とにかくあまり自分で抱え込まず、新入社員としてさまざまな人からノウハウを共有してもらう姿勢が重要だろう。

それまでの自分の経験に固執せず、周囲の同僚の働き方を注意深く観察し、そこから学びを得ることも重要である。そういった謙虚さがテコになって、それまで培ったノウハウやスキルが活きてくるケースも多い。

冷静さや謙虚さを忘れずに

ここまで転職前と転職後の主なトラブルについて紹介してきた。トラブルは避けたくても避けられないこともある。そんなときは、まず謙虚さを忘れず冷静になって、トラブルの解決に向けて取り組むことが求められる。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)/ZUU online

【こちらの記事もおすすめ】
ここで差がつく!「デキる人」がしている会議準備とフォロー
「デキる!」と言われる幹事が外さない3つのポイント
これで挫折知らず!「映画de英語学習」3つのコツ
そろそろ次を考えたい…転職にベストな年齢って?
どっちが幸せ?「正社員女子」」VS「契約社員女子」