掛け捨て型と貯蓄型、どちらを選ぶべきなのか
掛け捨て型の医療保険と貯蓄型の医療保険、それぞれのメリット・デメリットについて考察してきた。では、我々が医療保険に加入する場合、どちらを選択すべきなのだろうか。
終身医療保険は掛け捨て型がややリードか
近年は、終身医療保険のニーズが高まっている。入院や手術のリスクは死亡直前まで続くのだから、平均寿命の延伸化が進む現在、生涯にわたり一定の保険料で同じ保障を受けられる終身医療保険は、非常に魅力的であろう。
そして、終身医療保険に加入する場合、掛け捨て型の方がややリードしている印象を受ける。というのも、終身医療保険は養老保険や定期保険とは異なり、生涯にわたり契約を継続すること、つまり、解約しないことを前提としている。そうすると、「解約時に」解約返戻金を受け取れるかどうか、という点にこだわってもあまり意味がないのだ。
また、上述のように、健康祝金特約等を付加したとしても入院や手術により給付金を受け取ってしまえば、支払った特約保険料については損をしてしまうことになる。
「保障」と「貯蓄」は分けて考える
医療保険は、養老保険や個人年金保険とは異なり、入院や手術に備えた「保障」としての性格が強い商品である。もちろん、これに貯蓄性を求めることが間違いというわけではないし、貯蓄型の医療保険に加入すれば、解約返戻金や健康祝金を受け取れる可能性はある。
しかし、入院給付金等を受け取った場合は健康祝金の給付を受けられないし、早期に解約する場合は解約返戻率が低く、損をしてしまうこともある。
そこで、「保障」と「貯蓄」については分けて考え、保障的性格が強い医療保険は掛け捨て型にして保険料を安く抑えつつ、貯蓄については他の方法による、というのもひとつの有効な選択肢ではないだろうか。
医療保険は掛け捨て型と貯蓄型を慎重に比較検討
掛け捨て型の医療保険と貯蓄型の医療保険には、それぞれにメリット・デメリットがある。どちらを選ぶべきかについては医療保険に何を求めるかによっても変わるため、両者を慎重に比較検討することが大切だ。
ただ保障と貯蓄を分けて考え、掛け捨て型の医療保険に加入して保険料を安く抑えるのも、一つの選択肢ではある。貯蓄をする手段には、養老保険や個人年金保険、預貯金など様々な方法があるから、医療保険にこだわらず、自分に合った貯蓄方法を探してみるのもいいだろう。
文・曽我部三代(ファイナンシャルプランナー)/ZUU online
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