貯蓄型の医療保険に加入するメリット
貯蓄型の医療保険に加入する最大のメリットは、「お金が貯まる」という点である。解約返戻金があるタイプの商品では解約時に約定の返戻率に基づく解約返戻金を受け取れるし、一定の条件を満たすことで健康祝金を受け取れる商品もある。例えば、東京海上日動あんしん生命保険株式会社の『メディカルKit R』では、入院給付金を受け取らなかった場合に払い込んだ保険料の全額を、給付金を受け取った場合でも差額分を払い戻してもらうことができる。
一定の保障を担保しつつお金を貯めることができるというのは、この種の商品最大の魅力といっても過言ではないだろう。
貯蓄型の医療保険に加入するデメリット
「保険料をムダにせずお金を貯めることができる」というイメージが強い、貯蓄型の医療保険。確かに魅力的ではあるが、この種の商品には以下のようなデメリットがあることも忘れてはならない。
掛け捨て型に比べて保険料が割高
医療保険の保険料は、積み立てておくべき責任準備金の額に左右される。そしてこの責任準備金には、「保障」部分だけでなく、解約返戻金や生存給付金、健康祝金なども含まれる。そのため、貯蓄型の医療保険は、掛け捨て型の医療保険に比べて保険料が高くなってしまうのだ。
「払い込んだ保険料が戻ってくる」「一定期間ごとに健康祝金が給付される」と聞くと、確かにお得なようにも感じる。しかし、解約返戻金や健康祝金は保険会社からのボーナスでもプレゼントでもなく、責任準備金の、つまり、自らが払い込んだ保険料の一部を受け取っているにすぎないのだ。
入院や手術をすることで損をする可能性がある
近年は、東京海上日動あんしん生命保険株式会社の『メディカルKit R』のように払込保険料が戻ってくる商品や、メットライフ生命保険株式会社の『終身医療保険Flexi S』のように数年ごとに健康祝金が給付される商品が販売されている。
とてもお得で魅力的に思える商品ではあるが、これらの給付金を受け取れるのは、約定の条件を満たした場合に限られる。例えば、『メディカルKit R』に関していえば、入院給付金等の合計額が払込保険料額を超えなかった場合のみ、払込保険料の全額もしくは差額が返戻される。入院給付金等の合計額が払込保険料額を超過した場合は、保険料の返戻を受けることができないのだ。
健康祝金や保険料の返戻を受けられない、という点においては掛け捨て型の医療保険と同じだが、貯蓄型の医療保険の場合、保険料が高めに設定されている。そのため、入院や手術によって健康祝金等の給付を受けられなくなった場合は、その分だけ損をしてしまう可能性があるのだ。