◆性に関するつまづきが浮き彫りに
実際、男子校も女子校も、少子化の波を受けて今後は減る一方と見込まれている。
「つまり、特に男子校に過度に悪いイメージがつきすぎていないか、と問いたいだけです。そもそもジェンダーにまつわる世の中の空気って、一部のエリートがつくれるものなんですか? みんなでつくるものですよね。だからみんなに、こういう教育が必要なんだと思います」
同時に、女子大にも偏見があり、性教育にも偏見がある。いまだ「セックスを教えること」だと思っている人は一定数いる。そうしてハレーションを起こしてしまった人たちこそ、性に関することでつまずいてはいないだろうか。
性、ジェンダーについて学ぶときに、偏見は邪魔になりやすい。その偏見から脱却するためのヒントが、意外にも、男子校の生徒たちと女子大の学生たちとのフラットな対話に詰まっているのかもしれない。
<文/三浦ゆえ>
【三浦ゆえ】
編集者&ライター。出版社勤務を経て、独立。女性の性と生をテーマに取材、執筆を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(宋美玄著、ブックマン社)シリーズをはじめ、『50歳からの性教育』(村瀬幸浩ら著、河出書房新社)、『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』(三木崇弘著、講談社)、『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』(西東社)などの編集協力を担当。著書に『となりのセックス』(主婦の友社)、『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。