全世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活スタイルに大きな変化をもたらそうとしています。アフターコロナの世界を生き抜くうえで、特に重要になってくる知識とスキルはどういったものなのでしょうか。本記事では、あらゆる人にとって身近な生活の問題から今後の人生に役立ちそうな能力、そしてSNS時代における情報リテラシーについて考えていきましょう。
自炊スキルの有無は幸福度に直結する
コロナ禍が与えた社会への影響の中でも、外出自粛を前提とした生活は社会に大きなインパクトを与えました。テレワークやオンライン会議、オンライン授業などが一般化したことからダイレクトにその影響を感じた人も多いのではないでしょうか。
2020年4月、パーソル総合研究所が都道府県別に従業員のテレワーク実施率を調査したところ、3月の全国平均が13.2%に対して4月は27.9%と大きく増加しています。ちなみに東京だけを見ると、3月が23.1%、4月は49.1%と約半数がテレワークで仕事を行っています。
また帝国データバンクの調査によると2020年6月5日時点での新型コロナウイルス関連倒産は222件でした。その中でも特に多いのが「ホテル・旅館」39件(約17.6%)、「飲食店」30件(約13.5%)でした。このように観光産業や外食産業は大打撃を受け、閉店を余儀なくされた企業も少なくありません。
一方で「おうち時間」「巣ごもり需要」といった言葉が一気に定着したように、これまで以上に自宅での過ごし方が重要視されるようになりました。
緊急事態宣言や休業要請が解除されても、コロナ禍が完全に終息しないかぎりこの傾向はしばらく継続されることが予想されます。そこであらためて注目したいのが家の時間を充実させるためのスキル、すなわち「家事のスキル」です。
休校・休園などの煽りを受けて、複数の調査で特に女性の家事・育児の負担が増えているという結果が出ています。同居家族やパートナーのいない一人暮らしの人であっても、外出の機会が減ることで自然と家事負担は増加しているのではないでしょうか。
それを踏まえると、食事のような生活に不可欠な領域において、精神的・肉体的な“コロナ疲れ”に陥らないためのスキルを持つことは、幸福度に直結する重要なファクターだと考えられます。
自炊のレパートリーを増やすことや調理のスピードと精度を高めることができれば、生活上のストレスはグッと軽減できます。
また毎日の生活に欠かせないものである以上、手の込んだ料理を作るというよりも買い出しや食器洗いなども含めて時短や効率化を意識するのが肝要です。どうしても料理をする気力が湧かないときは、思い切ってフードデリバリーを活用することも検討してみましょう。
“おうち時間”の増加で高まる掃除の重要性
家事スキルの一つとして、掃除や整理整頓の大切さもあらためて確認しておきたいところです。心地よく清潔で住みよい空間を作ることは、自宅で仕事や勉強をするうえでも息抜きをするうえでも、食事と並んでできるかぎり妥協すべきではないポイントでしょう。
片付けが苦手な人もこの機会に自宅を整理して、効率的な環境を整えてみてはいかがでしょうか。
また不要なものを洗い出して断捨離をすることも選択肢の一つです。一度部屋がきれいになると、自然とその後の整理整頓がはかどって「汚れにくい部屋」になっていくことも期待できそうです。
掃除のスキルの向上は、日々の生活に時間的・精神的な余裕を生み出してくれるため、さまざまな作業の効率化にもつながっていくのではないでしょうか。
このようにコロナ以前に比して、家で過ごす時間が長くなるアフターコロナの生活をあらためて想定することは重要です。
料理や掃除のような家事のスキルを高いレベルで体得していることが、さまざまな面で大きなアドバンテージになることが分かります。職種や学問の領域は個々人ごとに異なるため、共通事項である「日常生活の能力」を高めることが、特に重要になってくるのではないでしょうか。