米調査会社「STR」が日本のホテルの客室単価を調査したところ、東京都内では今年1月から3月までの平均客室単価は2万1587円で、コロナ禍前の2019年と比べて3175円高く、1.17倍となっている。全国でも同期比で1.15倍の値上げ率となっており、外出ムードの高まりや訪日観光客の増加によって、週末の観光地のホテル相場は2倍以上になることもあるなど、異常なレベルまで跳ね上がっている。
物価だけでなく、人件費の高騰もライブ運営を圧迫している。
「切実な問題として、会場設営のアルバイトやツアースタッフを募集しても人が集まらなくなっています。会場設営のバイトで重い荷物を持って時給1500円くらいだったら、東京ならもっと楽な仕事があるでしょうから、人を集めるためには時給を上げるしかない。また、労基(労働基準監督署)の基準が厳しくなったことも業界構造に大きく影響しています。一昔前は、ステージをつくるために大道具さんが徹夜したりといったこともありましたが、今はそういうことはできず、以前は1日でやっていた作業を2日に分けてやったりしています。当然、労基の基準には従うべきなのですが、その分だけ人件費はかさみ、準備期間が延びれば会場使用料も余計にかかる。ライブ事業をやっている側からすれば、がんばってくれるスタッフにできるだけ還元したいという気持ちはありますが、そのためには彼らの賃金の元となるチケット代を上げるしかないというわけです」
実際、どの程度までチケット代を上げる必要があるのか。
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