同様に、母子世帯では当初所得は前回調査の236.7万円から297.6万円に60.9万円(25.7%)増加し、再分配所得は285.1万円から322.5万円に37.4万円(13.1%)増加した。これに伴い、当初所得ベースのジニ係数も0.4242から0.3341に改善したものの、再分配所得のジニ係数は0.2657から0.2758に悪化した。
高齢者世帯のジニ係数は当初所得から再分配所得では、大きく改善してはいるものの、再分配所得のジニ係数が悪化し、同様に母子世帯の再分配所得のジニ係数も悪化していることは、高齢者世帯や母子世帯に対する社会保障機能が低下していることを示している。
これは、世帯主の年齢階級別にも表れている。当初所得ベースで最もジニ係数が小さい(格差が少ない)のは、40~44歳の0.2931だが、最も大きいのは75歳以上の0.7411だ。ジニ係数0.7台というのは驚くべき数値で、75歳以上では特定の人に所得が集中していることを示している。
再分配所得ベースのジニ係数では、最も小さいのは当初所得ベースと同様に40~44歳の0.2694で、最も大きいのは60~64歳の0.4107となっている。
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