当初所得から税金、社会保険料を控除し、社会保障給付(公的年金などの現金給付、医療・介護・保育の現物給付)を加えたのが再分配所得だ。つまり、再分配所得は当初所得から公的な拠出や受給を加えることで、所得格差が調整されることになる。

 21年の再分配所得は504.2万円で、再分配所得をベースとしたジニ係数は0.3813となり前回調査から0.0092悪化している。(グラフ1)

日本の所得格差が過去最大級…厚生労働省発表の画像2

 厚労省では、当初所得と再分配所得では社会保障や税の再分配機能により、ジニ係数が改善されていることを強調している。だが、再分配による当初所得から再分配所得への改善度は33.1%で、前回調査の33.5%から低下している。