◆まだまだフェムケアアイテムを使ったことがない人ばかり
――日本のフェムケア市場の動向について教えてください。
田中:世の中にフェムケア市場に関連する調査は出ていますが、フェムケアと一言で表しても、美容や医療など幅広く含まれるため、さらに細かく分析する必要があります。
健康・美容業界でいうと、全国から店舗が集まる日本一規模の大きいドラッグストアショーという展示会が毎年開催され、今年初めてフェムケアゾーンがつくられました。このことは、たくさんの企業がフェムケアに注目していることを示していると思います。
――世間の関心も高まっていると感じていますか?
田中:メディアに取り上げられるようになり、フェムケアに興味をもつ人が増えています。一方で、生理日・排卵日予測アプリ、ラルーンが2022年に行った「フェムテック・女性用品に関する調査」(回答者 2323名)によると、フェムケアに高い関心をもつ回答者が集まっているにもかかわらず、約40%の人がフェムケアアイテムを利用したことがないと回答しています。
――フェムケアアイテムに興味があるけど利用していない人が多いのは、なぜでしょうか?
田中:個人的には、したいけど一歩を踏み出すほどではないと考える人が多いのかなと。たとえば、ニキビができてしまっても放置することもできるじゃないですか。デリケートゾーンケアに関しては、わざわざいろんな商品と比較して購入するまでに至らない人が多いと考えられます。あとは、フェイスケアやボディケアなど、ほかのケアを優先してる人も多い印象です。
――デリケートゾーンケアには、どのような人たちが興味をもっていますか?
田中:私たちの商品の利用者の平均年齢は30歳で、20代前半から40代中盤の利用者がみられます。20代前半の方はおそらく恋愛において「(ニオイで)パートナーに嫌な思いをさせたくない」「清潔でいたい」という人が多いのかなと。30代から40代の方は、女性ホルモンの減少により、乾燥といったリアルな悩みが増えることから、ケアに力を入れたい人は増えているといえます。
デリケートゾーンをきちんとケアすることは、女性の心身を健全に保つことにつながりますし、ぜひもっと多くの方に関心を持ってもらいたいです。