◆日本では思うより広がらず、市場を中国へ
――田中さんが販売しているデリケートゾーンケアアイテム「オーガニックフレグランスホワイトクリーム」と「オーガニックフレグランスインティメイトソープ」が、2022年にLIPSベストコスメ1位、2位を獲得しました。販売当初からベストコスメを獲得するまでの6年間、どのような試行錯誤をされましたか?
田中:2016年に販売を始め、大手化粧品問屋に商品について話しを持ちかけたところ、「世にはないものだから提案を受けられるかわからない」と言われることが多かったです。珍しいからという理由で試しに受け入れてくれる会社もあったのですが、なかなか売れず……。
一方で、当時「爆買い」という言葉がよく使われ、銀座や新宿では日本の商品を買う中国人観光客を多く見かけたんですね。そこで中国市場に可能性を感じ、2018年から中国での販売にシフトチェンジすることにしました。結果、中国ではホワイトクリームは年間100万個を販売することができ、安定した立ち位置を得ることができました。
――先に中国で販売し、そこから日本へ進出したという流れですか?
田中:そうですね。ただ、国内で営業を始めてすぐ、2019年にコロナが流行し外国人観光客が減ったことから、商品を置くことができなくなってしまいました。ですが、ちょうどそのとき、雑誌で「フェムケア」という言葉が使われるようになり、SNSではTikTokが流行り出したんですね。
この流れに便乗し、私たちもデリケートゾーンケアアイテムを広めようと、インフルエンサーの方に依頼してTikTokで発信してもらったり、ハッシュタグをつけて投稿する「ハッシュタグチャレンジ」をしたりしました。その結果、現在国内では約4500店舗で商品を取り扱っていただいています。