◆「デリケートゾーンケア」への意識が今より低かった

――デリケートゾーンケアアイテムを販売しようと決めたきっかけは何ですか?

田中:私は2歳から6歳まで中国、小学3年から中学2年までシンガポール、中学卒業までマレーシアに在住し、高校から日本で過ごしていました。社会人になり美容系の仕事をするなかで、自分で美容品メーカーを始めたいと思うようになりました。

2015年当時、VIO脱毛をしていたことで、デリケートゾーンの黒ずみや乾燥を気にしていました。デリケートゾーンケアアイテムの必要性を感じましたが、日本で探すことは難しかったんです。そこで、自分でデリケートゾーンケアアイテムを開発しようと決めました。

――デリケートゾーンアイテムが珍しい状況で、商品を開発することはチャレンジングなことだったのでは?

田中:2015年当時、デリケートゾーンケアアイテムはほぼ店頭に並んでいない状況でネットで調べていると、表参道ヒルズにあるエステサロンで販売されていた、アンティームホワイトクリームという商品を見つけました。

価格は約3000円と少し高額でしたが、調べた限りではそれ以上安いデリケートゾーンケアアイテムがありませんでした。しかし、Amazonで週に約2000個も売れていたんです。当時見つけたアンティームホワイトクリームはイタリア製だったので、日本製で安全かつ手頃な商品を開発すれば、需要はあるのではないかと考えました。

――日本では、海外に比べてデリケートゾーンをケアしようという意識が低いように感じます。

田中:主に美容に関心のある人や脱毛やサロンに通う人が、デリケートゾーンケアアイテムを購入していましたが、そのほかの人たちは、「ケア」という概念自体がなかったと思います。

実際、2016年からは、アメリカ発の「サマーズイブ」やフィリピン発の「PH care」など、デリケートゾーンに特化したアイテムがドラッグストアで見かけるようになりましたが、店頭の奥にある生理用品コーナーに置かれていたこともあり、認知度はまだまだ低かったです。