◆医師から言われた衝撃的な一言
まず衝撃だったのは、医師に妊娠の希望について問われた時。夫が亡くなったばかりであることを告げると、「じゃあもう子宮はいらないですかね」と医師にサラッと言われたのです。さすがにショッキングで、かろうじて「少し考えさせてもらっていいですか」と言うにとどまり、病院を後にしました。
たしかに、当時は夫を亡くしたばかりで恋人もいない状況だったので、子どもを作るという選択自体、ありませんでした。とはいえ、その時の段階で、自分から妊娠の機能をゼロにするという選択はできなかったのです。
「子どもを望んでいるのだろうか」という質問は、今まで何度も自身に問いかけてきました。以前書いたコラム『「女として欠陥品なのかな…」つらい不妊離婚で決意した“産まなくてもいい人生”』でも、つらい妊活をするよりも、自身の心や今の自分を大切にしたい、と考えたことをつづっています。
あの時、産まない人生を選んでもいいと思ったはずでしたが、いざ子宮を失うと思うと「本当にそれでいいのか?」と揺らぐ毎日。産めない体になったら、後悔するのでは? 思いつめて「もう女性ではなくなってしまう!」と考えることもありました。
結局、2年もの間、ずっと決断を下すことができませんでした。