地方局アナの強みを生かしたセカンドキャリアを

 そこで注目したのは、地方局時代に培ったマルチなスキルと人脈だった。アナウンサーはメディアがどんな話題を欲しがっているのかがわかり、企業とテレビ局をつなぐこともできる。そのため、企業側の足りないピースを埋めることができる人材というわけだ。

「まずは自分たちがアナウンサーとして培った『伝える力・見せる力』を教えようと思い、トークナビでは、企業向けの講演会やビジネス研修からスタートしました」

 その後、2019年に始めた「女子アナ広報室」が好評を得ている。女性アナが企業を取材し、プレスリリースを作成。さらにテレビ局や新聞社に売り込んでくれるというサービスだ。女性アナが広報代行を行うことでメディアの取材を獲得しやすくなる効果が注目を集め、実績は1400件以上にものぼる。

「さまざまな企業様の広報サポートをしてきましたが、おもしろかったのは、ある建設会社さんです。業界のネガティブなイメージを払拭しようといろいろな取り組みをされている会社で、私たちがサポートしたことでメディアに取り上げられて以降、地元で有名になり、今ではその会社さんに直接の取材依頼が行くようになりました」(同)