◆①まずは左利きであることを自信につなげた

ゴマすりを大人顔負けにできるようになりました
ゴマすりを大人顔負けにできるようになりました
 息子の苦労を知らない人からは、「左利きってかっこいいわね!」や「左利きは天才肌!」ということをさんざん言われましたが、実情はそんなにかっこいいものではありません。

 文字を書くのはもちろんのこと、子どもの練習箸やハサミも右利きを基本に作られているので、何をやるのも困難の連続。

 しかしながらこの状況にクヨクヨしてもはじまりませんから、私は息子が左利きであることに劣等感を抱かせないよう、徹底して“左利きの器用さん”を目指すことにしました。

 ゴマすり、海苔刻み、ニンジンすりおろし、野菜型抜き、おせち料理の盛りつけ……。子どもの能力は素晴らしいもので、みるみる上達、大人顔負けのレベルまでになり、少しずつ料理のお手伝いが好きになっていきました。食は勉強やスポーツ以上に身近なので、毎日実践できます。

 そして気がついたら、「左利きの自分は器用だぞ」という自信を持てるようになりました。

 この頃、私と息子が二人で獲得したことは、「練習すれば絶対にうまくなる」という姿勢だったように思います。私は意識的に、息子は無意識的になのかもしれません。