さらに取り置きしてもらう際に、推している演者とコミュニケーションを取ることも出来るし、予約の際に名前を憶えてもらうことも出来る。そして終演後にはチケットを予約したということで、会話なんかも出来たりするかもしれない。多少ではあるが、株主優待を手にしたような満足感と優越感に浸ることができるのだ。
僕もかつてお笑い芸人を経験し、そして現在劇団を主宰している身として、この「取り置き予約」は何度も使用しており、そのお陰でファンの人に喜んでもらうことも多い。しかし今回のような「半分以上が当日キャンセル」などという事件には遭遇したことがない。もちろん当日キャンセルや本番前になっても連絡がつかない等ということはあるが、それは稀でほとんどのお客さんはきちんと来場してくれるイメージ。なので寄せられたコメントのように「1/3しか来ないイメージ」とか「半分しか来ない覚悟」などというパターンは全く想像出来ないのだ。
もしかしたらこの状況は時代の変化が招いたものかもしれない。これはあくまでも僕の独断と偏見なのだが、「約束を守る」「義理を通す」「律儀」という意識が薄れてきている気がしてならない。それもこれも予約というものが昔より容易にできるようになったのが原因なのではないだろうか。飲食店においても団体客がキャンセルするというニュースがあるように、簡単に予約できる反面、ボタン一つで簡単にキャンセルも出来てしまう時代になった。その為にキャンセルされる側の顔が浮かびにくく、罪悪感を持たずにキャンセル出来るので、このような問題が起きやすくなっている可能性がある。
その対策として飲食店などでは予約時にお客様の情報を詳細に聞くという手段を使っており、少しでもキャンセルを減らそうと試行錯誤している。
【こちらの記事も読まれています】