今月の前半に「後藤まりこ」さんという歌手の方が自身の「X(旧ツイッター)」にて一枚の画像と共に次のような文章を投稿した。

「これから予約500とりますね。ふざけんなや」

 同時に投稿された画像には当日行うイベントの来場者数が書いてある用紙が載せられている。上記の文章と画像だけでは一体何を訴えたいのかわからない人も多くいると思うが、どうやらキャパ250名のライブハウスに、取り置き予約が270名も入った為、予約を締め切り、当日券を求める何人ものお客さんを断った挙句、実際会場に来たのは125名だったという話だ。

 ライブや演劇にあまり携わらない人には状況が伝わらない可能性もあるので、まずはこの取り置きという部分から説明しよう。取り置きとはチケットを確保する為に、アーティスト自身にチケットを一枚購入する意思があるので取りおいてくださいというお願いをし、それを受けてアーティストがチケットを一枚確保しておくというもので、これは「予約」のように契約を結ぶというものではなく、あくまでも「約束」という程度のものでキャンセル料などが発生しない準予約的位置にあり、お客さんとしても気軽に頼むことが出来るというのが取り置きシステムなのだ。