クラフトビール界のレジェンド 「丹羽 智」 さんが製造責任者
東さんが「釜戸を元気にしたい」と考えていた時、問題は何を “推し” とするのか。そこで、始めたのが 美濃焼と東濃の食とビールの会。そこに参加していたのが、当時は山梨の アウトサイダーブルーイング で醸造長を務めていた、 丹羽 智 さんです。
アウトサイダーブルーイングは、今や日本の中でも有名なクラフトビール。ここに来る前も、「いわて蔵」、「West Coast Brewing(ウエストコーストブルーイング)」などで醸造長として活躍し、これらのクラフトビールたちの名を上げてくると同時に、まだクラフトビール造りを学ぶ場所が少ない日本で、多くのブリュワーを育ててきたそうです。
丹羽さんが関わったブリュワリーMAPを見ると、「ほとんど日本全国じゃないか!」と驚きです。
釜戸と同じ東濃「中津川」出身の丹羽さん
今は醸造場は閉鎖されてしまいましたが、今から20年ほど前、クラフトビールのブームの先駆けの頃、「博石館ビール」というものがありました。中津川にある「博石館」というテーマパークで造られていたビールです。
お世辞にも、博石館自体はそこまで人気が高いテーマパークではないのですが、このビールは東京に出回るほどに。筆者も東京で初めてお目にかかりました。
そのビールを造っていたのが、中津川 出身の丹羽さんです。あれから全国各地でクラフトビール醸造で活躍していましたが、ゆくゆくは生まれ故郷でビール造りをしたい、と考えていたそう。
そこで出会ったのが、カマドブリュワリーの社長、東さん。「中津川と同じ東濃の釜戸で、ビール造り、しませんか?」と。話はすぐに進み、2020年にカマドブリュワリーが誕生しました。
「クラフトビール界では有名人の丹羽さんが、新たにクラフトビールを造るですと?!」 と、クラフトビール好きな人の間で、話題に上らないはずがありません。立ち上げた当初は、醸造量がまだ足りないのもありましたが、売り切れ続出だったそうです。今は落ち着いた造りをしているのでご安心を。
醸造場に併設のビアバー「HAKOFUNE ハコフネ」
釜戸を盛り上げるべく、手掛けたのはカマドブリュワリーの設立だけではありません。併設されているビアバー「HAKOFUNE ハコフネ」で、丹羽さんが手がける造りたての生ビールが飲めます。パッと見からもわかる通り、なんと元は貨物用コンテナ! それをビアバーに変身させてしまったわけです。
飲める生ビールは、その時期によるかもしれませんが、常時6種類ほど。定番の「やっとかめエール」を始め、新作、季節もの、コラボなどいろんなものが楽しめます。
特に、定番以外のビールは、丹羽さんのセンスが光るものばかり! 丹羽さん曰く「クラフトビールの奥は深い。どれだけビールを造っても尽きない」とのこと。その時にしか飲めないビールもあるかもしれませんね。
HAKOFUNE の建物自体はとてもこぢんまりとしており、カウンター6席のみ。ですが、外には、ウッドデッキ8席、外テント4席×6程度あります。
料理も美味しいものがいっぱい
そして、カマドブリュワリーのビールと合わせて美味しい料理もたくさん!すぐに出てくるクイックメニュー、ちょっと時間はかかるけど手の込んでいるじっくりメニュー、軽食メニュー、甘いものメニューなどなど。
参考までに、筆者が注文した料理をご紹介します。
自家燻製3種盛り 1,000円(税込)。合鴨スモーク・ミックスナッツ・チーズ の3種です。桜のチップで燻しているそうです。合鴨は分厚いし、ミックスナッツもチーズもたっぷり。これだけで、ビールはどんどん進んでしまいます。
地ウインナーの盛り合わせ 2種 700円(税込)。半分にカットされているのが、地元瑞浪のブランド豚「瑞浪ボーノポーク」で、2本あるのが「奥美濃古地鶏」。瑞浪に奥美濃、どちらも地元産です。また、鶏のウインナーというのも珍しいです。どちらも味が濃厚!これもビールが進みます。
たまごサラダのバゲットサンド 600円(税込)。バゲットには、これでもか!というくらい、たっぷりのタマゴサラダ。かぶりつこうとすると、豪快にはみ出ちゃいます。このタマゴサラダがまた美味しい。これで600円でいいの?!というサンドです。
フードの持ち込みOK!
驚きなのは、HAKOFUNEの料理も美味しいのですが、フード持ち込みもOK なこと! 調理場もあるHAKOFUNE自体が小さいため、あまり多くのお客様が来店すると、フードが回らなくなってしまう、ということも考慮しているかもしれません。自分が合わせたいアテを持ち込んで、ここで出来立てのクラフトビールを飲む、というのも楽しいに違いありません。