──ジュンイチを生かすために家にいたいけど、生きていくためには外に出ないといけない。ご自宅でできる、執筆業はいかがですか。
イ・ラン:原稿も書いているんですけど、いくつかの本を同時進行で執筆するのって混乱するからすごく苦しいんですよ。あと、原稿を書いているときはリアルタイムにお金が発生するわけでもないし。
──執筆したものが本になってお金が入ってくるまでに、だいぶ時間のラグがありますもんね。金銭的なスケジュールが見えづらいと、生活に対しても不安になるから、精神的につらくなってきます。
イ・ラン:そうですね。ジュンイチの病院代はリアルタイムに払わなきゃいけないから。そういう意味では、「ヘンサ(행사)」 のお仕事が助かりますね。
──「ヘンサ」。それはどんなお仕事なんですか?
イ・ラン:「ヘンサ」は韓国語で行事とかイベントっていう意味なんですけど、音楽業界では「営業仕事」を指す言葉として使われています。例えば、どこかの地域の『〇〇祭り』のイベント会場に行って、10分くらい歌うとか。それは一番早くお金になりますね。パンデミック直後は「ヘンサ」が一切なくなってしまって、そのときに初めて、私の収入の半分以上が「ヘンサ」からくるお金だったんだって気づきました。
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