──パンデミックの影響にかかわらず、ランさんの“社会実験”は続いていたわけですね。

イ・ラン:はい。例えば最近、前まで使っていた作業場を引き払ったんですよ。ジュンイチ(愛猫)の体調が良くないので、付きっきりで看病しなきゃいけなくて。だから自粛要請がなくても、私は外に出られなくなってしまったんです。

──なるほど……ジュンイチも高齢になって。

イ・ラン:そうです。看病がすごく大変です。家で毎日、薬を飲ませたり、注射しなきゃいけないので、遠いところには行けなくなってしまって。

──家を空けられないから、断らないといけない仕事も多いわけですか。

イ・ラン:うん。ちょっと遠くても、日帰りで帰ってこれそうな仕事があったら引き受けたりもしていますが、当日にジュンイチのコンディションが悪くなったりしたらキャンセルしていますし。でもお金を稼がなきゃいけないから、お仕事もしないとダメで……ヤバい。