■「結婚→妊娠」じゃなく「妊娠ファースト」の考え方に切り替えた
私は28歳から30歳までの2年間、結婚していた時期があります。当時は、結婚したら次は出産と、人生の大きなライフイベントに夢を膨らませていました。でも、当時のパートナーは、「子どもは欲しくない」という考えの人で、それを結婚前から聞いていたにも関わらず、将来子どもが欲しいと思っている私はこのパートナーと結婚しました。
なぜなら、そこには淡い期待があったから。付き合っていた当時から「結婚はしたくない」と言っていた人が実際に結婚したわけだから、子どもに関しても結婚すれば考え方が変わるだろうと期待していました。
でも、わかったことは、人の考え方ってそんなにすぐ変わるものじゃないし、本気で「子どもが欲しくない」と思っている人との間に、妊娠するようなことが起きるはずもないのです。
そして、私は考えを改め、「妊娠を望んでいたって妊娠できないこともあるんだから、まだ見ぬ子どもを期待して現実を嘆くのではなく、今、目の前にいるこの人とふたりで楽しく生きていくことに集中しよう」と思って過ごしていました。そのように考えを変えて結婚生活を続けていたのですが、結局、さまざまな理由で離婚することになります。
私はこの経験から、次は絶対に、子どもが欲しいと思っている人と結婚する! と決意しました。そして、いよいよ独身のまま30代後半にさしかかり、「高齢出産のリスク」や「不妊」というものが自分ゴトになってきた現実を目の前にして、「結婚そして妊娠」ではなく、次第に「妊娠ファースト」という考え方に変わっていきました。
妊娠の難しく神秘的なところは、トライしてみない限り、自分が妊娠できる身体なのかが誰にもわからないことでしょう。また、どんなに愛し合っているふたりが結婚しても、子どもを授からない場合もあるということ。
だったら、まず妊娠という現実に向けて動いてみる。結婚してから出産という順番はもう無視して、妊娠出産できる可能性にかけてみたい。なぜなら、私の本当の願望は、もう一度「結婚が」したいんじゃない。もうすぐ38歳になる私の本当の願望は、妊娠したい、子どもを産みたい、お母さんになりたい、だったから。
もちろん、妊娠というのは、精子バンクを利用しない限り、相手がいないとできないわけですが、今のパートナーは私の考えを尊重してくれました。