──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ

 『どうする家康』第26回では、秀吉(ムロツヨシさん)から「恨んどるんだないきゃ? 上様を」と問われても、信長(岡田准一さん)本人から「恨んでおるのは……別の誰かか?」と訊かれてもすっとぼけていた家康(松本潤さん)ですが、裏では虎視眈々と信長殺害の機会と天下を狙っていることが最後に明かされました。

 家康の「信長を殺す」という宣言は、本編のラストに出てきた「本能寺の変まであと46日」の文字と共に大きなインパクトがあり、SNSでは「家康黒幕説」というワードがトレンド入りしていましたね。第26回の冒頭部分では、月代(さかやき)を剃らせる家康の姿がありましたが、当時、武士たちの間で流行り始めたあの髪型には、頭に血が上り、カッとなって冷静な判断ができなくなることを防ぐ効果があると信じられていたそうです。家康の新しい髪型には、彼の野望が秘められていたのかもしれません。