主題歌は「ナートゥ・ナートゥ」のあの人

 今作の音楽を担当しているのは、テルグ映画界では鉄板ともいえる映画音楽作曲家デーヴィ・シュリー・プラサード。テクノポップやテルグリッシュ(テルグ語と英語のフュージョン)などの近代的な音楽も得意ではあるが、一方で地域性がよく出たドメスティックな曲も得意だ。

 特に今作ではドメスティックな部分が際立っていて、ストーリーに見事にマッチしており、デーヴィのふり幅の広さを改めて感じる。

 デーヴィのベスト盤にも収録されているラーマラクシュミのチッティに対する気持ちを描いた『Rangamma Mangamma』も良い曲だ。ヴィジャイ、ラシュミタ・マンダナ主演映画『Varisu』(23)の劇中歌『Rajithame』を、南インドを中心にダンスナンバーとして人気を博したヒンドゥスターニー(北インド古典音楽)のアーティスト、M.M.マーナシーが歌っているのも曲の価値を高めている要因だ。

 しかし、今作の中で一番印象的ともいえる作中曲はタイトルトラックにもなっている『Ranga Ranga Rangasthalaana』だろう。

 歌っているのは『RRR』の劇中歌『ナートゥ・ナートゥ』のリードボーカルを務め、ほかにも『マッキー』や『ヤマドンガ』(07)といったラージャマウリ作品にも参加するテルグのトッププレイバックシンガー、ラーフル・シプリガンジである。