期限の三日目が迫るころ、業を煮やしたアースラはアリエルの歌声を持つ美女ヴァネッサに扮し、エリックの心を操り虜にしてしまう。このままアリエルは声、人魚としての自分、愛するエリックさえも失ってしまうのか。

 1930~50年代に栄華を極めていたディズニーだが、66年にウォルト・ディズニーが死去すると、作品のクオリティを守っていたスタッフらが引退、退社、独立。すると目に見えて作品のクオリティが落ち続け、過去の焼き直しのような企画に手を出すようになり、ますます低評価を下され、80年代になると何をつくっても当たらない暗黒時代に突入する。

 かつては『シンデレラ』『バンビ』『ピーター・パン』といった名作を次々生み出してきたディズニーは、このまま終わってしまうのか?

 1984年、ディズニーの実写部門タッチストーン・ピクチャーズはトム・ハンクス、ダリル・ハンナ出演の映画『スプラッシュ』を公開する。これは海で溺れかけた少年を人魚が助けるという、『リトル・マーメイド』の改変のような話だった。