ところが直後に嵐が起き、乗組員ともどもエリックは荒れる海に投げ出される。エリックを救い出したアリエルは浜辺で歌を口ずさみながら介抱するが、執事の男が現れたことで姿を隠す。朦朧とする意識の中でアリエルの朧げな輪郭と歌声だけを記憶していたエリックはそれ以来、自分を救ってくれた女性のことだけを思う日々を送るように。

 セバスチャンが口を滑らせたことで、エリックを助けたことや秘密の部屋のコレクションのことを知った父王トリトンは娘を溺愛するが余り、怒りを爆発させコレクションを破壊してしまう。

 嘆き悲しむアリエルに近づいたのは、かつてトリトンによって王宮から追放された魔女のアースラ。アースラは人間の姿になれる薬を与え、エリックとキスを交わせば二人は結ばれるとそそのかす。ただし人間になる代わりにアリエルは声を失い、三日以内にキスを交わせなければ、アリエルはアースラのものになるという条件。

 こうして地上の世界に行き、エリックと知り合うアリエルだが、口がきけないのでエリックを助けたのは自分であると伝えることができない。また、エリックの方もとっぽいところがあるお坊ちゃんなのでアリエルの正体に気づかず、お互い無駄な時間を過ごす。