そしてこう締める。

 少々問題児でも、ハンサムでサッカーがうまければ、ヴェルディはどんどん採る。

(P43)

 栄華を誇ったヴェルディ川崎は、現在クラブ名を東京ヴェルディ1969に変更。読売新聞社や日本テレビが経営から撤退した影響もあってか、2008年に2部のJ2に降格して以降、一度もJ1昇格を果たせていない。
本書を執筆した小見も、一時期トップチームの監督を務めたものの2002年に成績不振の責任を取って長く在籍したヴェルディを離れている。

 去る2023年5月14日、新国立競技場で「Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ」と題して、鹿島アントラーズvs名古屋グランパスの試合が行われた。残念ながら、そこにJリーグ初代年間王者ヴェルディの姿はなかった。

「スター意識を持ち、すべてにおいてJリーグのリーダーたれ」

 小見が提唱していた“ヴェルディイズム”は、今もクラブに根付いているのだろうか。
名門復活の秘訣も、もしかしたら本書に収録されているのかもしれない。