さらに、この部分はメロディもそっくりだ。本来は楽譜や鍵盤を持ち出したいところだが、キーの概念と混同する可能性があるので、シンプルにふたつの曲を同じキーに揃えるかたちにして歌詞をひらがなで並べてみよう。

『(なみ)ーだをかくしてるー』
『(ない)ーーあしーあととー』

 すると少しリズムは違うが、赤文字を除き音程が一致していることがわかる。それぞれの歌詞を替え歌的に入れ替えて歌ってみてほしい。違和感はまったくないはずだ。

 つまり両曲は「キーの階段を一段飛ばしで上り、サビに飛び込む」という音楽的な“運動”が等しく、メロディの動きもそっくり。これがサビ前に共通点を感じる理由である。後半も分析すると、2曲ともにサビ後はキーを元の高さに戻し(「♭」2回)、2コーラス目のサビ前でまた上がる(「♯」2回)、そしてブリッジ部分はそのまま、静かになるいわゆる落ちサビはそのままのキー、続く最後のサビは「♯」1回分転調して盛り上がっていく。