◆主題歌のフレーズが示すバディ感

『ペンディングトレイン』より © TBS
――直哉と優斗の掛け合いによってキャラクターが立ち上がり、思わぬ化学変化がありましたか?

金子:先日、久しぶりに現場に行きました。すると山田さんと赤楚さんがびっくりするくらい仲良くなっていて驚きました(笑)。それぞれご自身の中にある「直哉」「優斗」をお互いの中に見出していたようです。

 優斗にあって直哉にないもの、直哉にあって優斗にないものをお互い共有していらっしゃる。ドラマの中のふたりもそうですが、リアルな化学反応を見せて頂きました。まるでドキュメンタリーのような結末です。

――現場での素晴らしいエピソードですね。「Official髭男dism」が担当した主題歌「TATTOO」もこの熱いバディ感を表現していて面白いなと思います。1番のサビに印象的なフレーズがあります。「そっけないくらいで僕らはちょうど良いんじゃない?」という歌詞は、まさに直哉と優斗の関係性そのものを言い当てていますよね。

金子:本当に、天才のお仕事です。「助けるよ 助けてよ my buddy」は、最終回までの道のりを示唆しているかのようなフレーズです。

――ドラマの内容とこんなに連動している主題歌も珍しいなと思いました。

金子:「愛 ジョーク それとたまにキツめのネガティブ」の部分、これは完璧に直哉のことを歌っているのではないか。思わずドキッとしました(笑)。

 ヴォーカルの藤原聡さんは、物語からその人物の輪郭を引き出すことがすごくお上手です。ご自分の頭の中でも人物像を思い描き、その人の人生に寄り添う。だからこそ「Official髭男dism」さんの主題歌は、輝くのだと思います。