◆仕事で知り合った男性と、一線を越えてしまった

 そんなとき仕事で知り合った2歳年下の男性に心惹かれた。当時、彼女が35歳、彼は33歳。彼は結婚して2年足らずだったが、たまたま一緒にランチをしたとき、妻の実家への依存度が高くケンカが絶えないと愚痴をこぼした。

「それでもプライベートで会うことはほとんどなかった。仕事がらみでランチをしたりお茶したりする程度。その中で少しずつ相手を知って、少しずつ状況をわかりあって。気づいたときには彼の存在が私の中にしっかり根づいていたんです」

 知り合って3年、とうとう一線を越えてしまった。いけないとわかりながらも、もう自分に嘘はつけなかった。

◆パートナーに離婚を告げたふたり。それぞれの反応は……

「ふたりともパートナーに離婚を告げました。結婚したときのことを思い出すと、あんなに惚れ込んでいたのに、どこでどう何が違ってしまったのかと悲しくてたまらなかった。でももう、私は夫のところにはいられない。あなたと一緒にいる意味がないと思っていると冷静に言いました。夫は『僕はきみが好きなのに』と涙目になったので驚いたのを覚えています。自分の中に相手への愛情がなくなると、相手からの気持ちを受け止めることもできなくなるんだ、と。正直言って、自分の変化にびっくりしていました」

離婚
 年下彼のほうは離婚を申し出たら、妻からあっさり「そうね、私たち合わないもんね」と言われたそう。それもまたショックではあっただろう。

「私たち夫婦は、友人たちからは仲がよくていいねと言われていた。彼のところもそうだったみたいです。もしかしたらそれぞれ、どこか我慢を続けていたのかもしれない。だから気が合う人に惹かれてしまったのではないか。そんな気もしています」