◆祈るような気持ちで第10話を待ちたい
それぞれに離婚を切り出す。「楓」と夫に切り出された楓は、もうすでに何もかも悟っている。実は彼女、陽一の珈琲店に行って、身元を明かさないまま、世間話を装ってさんざん陽一に「妻が浮気している可能性」について演説をしてきたのだ。嫌な女だとわかっていながら、そうせざるを得なかった。彼女が離婚をすんなり受け入れたのは、そんな自分自身と決別したかったのではないだろうか。
みちもまた、順を追って自分の気持ちを陽一に説明していく。「もう、その場しのぎの言葉はいらないの」と。
離婚を切り出す男の表情はせつなく、離婚を切り出す女の表情は哀しい。だが女のほうは明らかに凜々しくもある。それを岩田剛典と奈緒が、それぞれ微妙な演技で魅せている。ふたりとも優しいから、情に引きずられないといいのだがと祈るような気持ちで第10話を待ちたい。
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