◆K-POPアイドルの発言、その背景は?

深沢潮(以下、深沢):K-POPグループのメンバーが歴史に触れる発言をすることがたびたびあります。その内容が植民地時代についてだと、日本ではそれに対してファンから違和感や失望の声があがるのが恒例です。自分が傷つけられた気分になるんでしょうね。

でも、そのメンバーは個人を責めているわけじゃない。受け取る側が「こんな抑圧の歴史があるから、こういう発言になるんだな」と知っていれば、反発は覚えなくなるのではないかと思います。

深沢潮さん
深沢潮さん<写真/上田泰世(朝日新聞出版写真映像部)>
――方子さんと、“韓国のラストエンペラー”ともいわれる李垠(り・ぎん/イ・ウン)は当時、「日鮮の架け橋」「日鮮融和の象徴」のようにいわれましたが、現実には、日本が韓国を一方的に植民地支配し、日本人から韓国人への苛烈な差別もあったことが本作から伝わってきます。

深沢:方子さんと垠のような人でも、それと無縁ではありませんでしたね。