◆浮気された妻に、さらなるショックを与えた言葉
一方の新名家。誠は妻への愛情も執着も失ってしまったようだ。楓(田中みな実)は、夫に愛されているという確信が揺らぎ、夫の気持ちを取り戻すために必死になっている。それがわかるだけに誠もなんとかやり直そうと頭では思っているのに、心も体もそうはいかない。男女問わず、気持ちがついていかないのに無理して「いい配偶者」ぶることなどできないのだろう。
楓は夫の携帯を見て、みちとの浮気を確信する。酔った夫に、「あたしのせいだよね。あたしが拒んでいたから。誠だって男なんだから性処理の1回や2回……」とつぶやくと、誠は意外にもはっきりとした口調で「彼女とはそんなんじゃない。オレが一方的に精神的支えを求めた」と言う。これが楓にグサッと刺さった。
性処理という言葉も衝撃的だったが、妻はそう思いたいのだ。心は伴っていない、単なる本能の発動でしかなかった、と。だが誠はそれを明確に否定した。妻のショックは大きい。
誰が悪いのか……。浮気や不倫に、そうした犯人捜しはあまり意味がないのが現実だろう。たまたま、いろいろなことが重なってしまっただけ、あるいはタイミングの問題か。みちと誠だって、不意なことからみちが自分たち夫婦がレスだと言わなければ、誠との共通点は見いだせなかったはず、楓ももっと早く誠の寂しさに気づいていればこうはならなかったはず。とはいえ、どんなにタラレバを言ったところで時間とともに人の気持ちも関係も距離感も変わっていってしまうものだ。
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