◆小泉進次郎議員に比べてフツーに“いいヤツ”

 次に、翔太郎氏個人にスポットを当てたいと思います。インタビューを受ける姿や、外見などから察するに、きっといいヤツなのでしょう。でなければ、官邸での忘年会にあれだけの「ご親戚」は集まらないはずです。しかし、その“いいヤツ”感が政治家としてプラスに働くかどうかは別の問題なのかもしれません。

 ここで思い出すのが、小泉進次郎議員です。

 進次郎氏が議員になる遥か以前、父の小泉純一郎首相(当時)と箱根でキャッチボールをする様子が報道されました。後継者と目されていた進次郎氏の目は鋭かった。好青年の雰囲気はあるのですが、生半可(なまはんか)な“いいヤツ”ではないオーラがありました。

 筆者個人の話になって恐縮ですが、横須賀中央駅の喫茶店でアルバイトをしていた当時の進次郎氏を見たことがあります。やはりそのときから近寄りがたい覇気(はき)がみなぎっていたのを今でも思い出すのです。

 それに比べると翔太郎氏は、いかにもフツーです。繰り返しになりますが、間違いなく好人物で、友だちとして付き合えば絶対に楽しいタイプでしょう。

 しかし、だからこそ恐ろしいのです。自分が最高権力者に近いという畏(おそ)れがあればあんな風に“いいヤツ”でいられるはずがないのに、翔太郎氏はいつも陽気な新入社員みたいでした。

 自分がどの立場で何をしているか理解をしている雰囲気のない人物が、国家権力の中枢にいた。この事実を忘れてはならないのだと思います。