突然の報告にア然「子どもができた」

 里美さんの代わりに伴奏をお願いした後輩のK子に子どもができたというものでした。もちろん、父親は春樹くんです。その文面をじーっと見つめて立ち尽くす里美さん。里美さんの心中には様々な思いが駆け巡ります。

33歳女性中学教師、12年ぶりに再会した教え子に恋して悲劇。100万円を失う
(画像=『女子SPA!』より引用)

実際に届いたLINE(里美さん提供)

 なぜ? どうして? 私のことはどう思ってるの? これから春樹くんはどうするの?

「困惑や苛立ち、悲しみの感情が一気に押し寄せてきました。その晩は眠ることもできずに、泣き明かしていました」

 一晩泣き明かした翌朝、不思議と里美さんの心は澄み切ったように穏やかになっていたそうなのです。

短い一文を送ってLINEをブロック

 職場と家の往復するだけの毎日に突如として現れたかつての教え子。彼と再会し、放課後の練習の続きのような日々を短い間だけだったけれども過ごせたこと。彼と一緒に頑張ったことや、音楽に一生懸命になったこと。春樹くんが夢を叶える瞬間に立ち会えたこと。何より、誰かに何かを教える喜びを思い出させてくれたこと。

33歳女性中学教師、12年ぶりに再会した教え子に恋して悲劇。100万円を失う
(画像=『女子SPA!』より引用)

「だから、春樹くんのために使った100万円という大金も少しも惜しくはありませんでした」

 里美さんはLINEを開き、「教えてくれてありがとう」と短い一文を送ってから、春樹くんをブロックしました。

「何の後悔もありませんでした。一生分の私の愛情を彼に注ぐことができた満足感でいっぱいでした。もちろん、寂しくはありますけど」

 でも、教師ってそういうものですから。みんな、卒業していくんです。と里美さんはぽつりと言葉を付け足しました。