◆急用ができたふりをして逃げる
「ああ、それもこの間新しいのを買ったから」とすぐに答え、この話は切り上げようとしたそうです。
「せっかく用意したのにって、どう考えても不用品を押し付けているようにしか見えなかったですね。本当にあげるつもりなら、そもそもゴミ袋なんかに入れないと思って。掃除の途中に渡すことを思いついて、そのまま処分しようとしたのでしょうね」
まだ何か言いたそうな奥さんを無視して、美恵さんは手土産をテーブルに置くと電話がかかってきたフリをしていったんリビングを出て、戻ると「急用ができた」と言い訳してすぐに家を出ます。
「このままリビングにいれば、押しの強いふたりに言い負かされる」と思った美恵さんは、とにかくその場を離れることで精一杯だったといいます。
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◆それは「好意」じゃない
「思い返すと、それまでも私にくれたものって、不用品が多いんですよね。余ったノートとかお菓子とか、邪魔だから私にあげるって感じだったと気が付きました。私なら、錆びたフライパンなんてどれだけ有名なブランド品であっても人にあげようとは思わないです」
夫婦の気持ちは本当に好意や善意かもしれないけれど、じゃあすべて受け取らなければならないかというと、そうではないですよね。
「せっかく用意したもの」を断る美恵さんに夫婦が不満げな様子でも、関係が対等なら当然NOと言われる可能性はあり、それを責めるのは間違いです。自分の提案はすべて通るべき、となるとそれは友達ではありません。