ほったらかしにする投資とはどんな投資?
――投資をやるからにはやはり勉強は必要ですよね?
「勉強というより、僕の場合は好きでやっています。投資についてあまり難しいことを考えたくない人は、アメリカの代表的な株価指数『S&P500』と連動するようなインデックスファンドや債権ファンドを買えばいいと思います」
「僕は、少しは挑戦したいと思っているので、セクター型のインデックスファンドに投資することもあります。特定のテーマで銘柄を集めた投資信託です。例えば建設関連です。世界にはこれから発展していく国がまだまだたくさんあります。そういった国では建築の大きな需要があります。自然災害が増えているからそれに耐える構造の建物を作らなければいけないし、不幸にも災害で壊されたものは建て直さなければなりません。占いのような予想ではなくて、常識的なことを考えながら投資をしています。」
投資はギャンブルじゃない! 気を付けたい5つのポイント
――投資で注意したいポイントなどはありますか?
「まず自信過剰に気を付けましょう。僕も若い頃は自信過剰で、この銘柄は絶対上がるからと投資して、『下がってきた! ヤバい!』って急いで株を売却したら、その後、また上がって、『最悪だ!』という経験をしました」
「もう1つが一喜一憂しないこと。僕がモットーとしているのは『Don’t feel, think!(感じるな、考えろ)』です。株価が下がったときにパニックになって株を売るのも、上がったときに興奮して買うのもどちらも気を付けてください。感情で動いてはいけません」
「3つ目は短期投資をしないこと。僕の投資のセオリーは価値に投資して、その価値が増すのを待つことです。FXやデイトレードといった短期投資は価値ではなくて、表面価格の変動に投資しています。これは本当にサイコロを振るようなもの。例えば、アメリカの株式全体はこれまで浮き沈みがあっても成長を続けてきたように、長期的に見れば今後も株価の上昇が見込まれます。でも、短期投資で、1日で株が上がる確率はおよそ50%。短期的な価格変動は商品の価値によるものではなくて、マーケットの気分のような外的要因によるものなんです。長期投資の原理は違います。今日、株を買った企業は将来、新商品を出したり、新事業を始めたりと成長していくかもしれない。そういった企業価値が上がる可能性を信じて、投資したいですね」
「あと、理解できないものにはあまり投資しないこと。僕は複雑なデリバティブもビットコインもピンとこないから投資しません。自分がその価値を理解できるなら、他の投資家や消費者も理解できます。そういったものに投資するのが安全な投資です」
「5つ目は経済的な土台をしっかり作ることですね。堅い収入や資産をまず築きましょう。そのあと、リスキーなものに資産額のうち1%か5%をかけていいでしょう。冒険が失敗したからといって自分の土台が崩れるようなことは絶対あってはいけないんです」
文・fuelle編集部