原作の設定が35歳の女性です。「35歳の壁」と言われたりしますが、大学を出て新卒から数えて一回り。もう若くもなく、とはいえまだベテランでもありません。一方で、これまでキャリアを積んできた分、また悩み始める年齢でもあります。恋愛でも、結婚や将来のこと、家族のこと、健康のことなど。ちょっとした曲がり角に差しかかった人のリアルな悩みや葛藤を丁寧に描くことを心がけました。脚本家やプロデューサー、スタッフの女性陣から35歳の時の話を聞いて、台詞や設定に取り入れました。

 主人公の麻紀は恋愛も仕事も生き方も選択肢が多数ある中で、どれを選んでいくのか。そんな人間ドラマのポイントを押さえて作りましたので、視聴者の皆さんには共感していただけるとうれしく思います。

 『わたしのお嫁くん』と『隣の男はよく食べる』は、“家事”というものを別の角度から捉えたドラマだ。どちらも性別によって定められていた役割や関係性を一度解体し、フラットな目線で見直そうとする心意気を感じる。