では、『隣の男はよく食べる』は、料理と女性の関係性をどう描こうとしているのだろうか。本作のチーフ・プロデューサー山鹿達也氏に話を伺った。

──本作は、誰かのために料理を作ることの喜びを描いた作品だと感じました。それは女性の繊細な心の機微を捉えたセリフや展開の妙があってこそだと思いますが、こうした描写に関して、スタッフの方々とどのような話し合いが行われていますか?

山鹿達也氏(以下、山鹿):原作漫画の肝であり、ドラマの中でも大切にしている箇所です。男性でも女性でも、「誰かのためを思って料理を作る」。シンプルなことですが、いま我々が忘れがちな、大切なことだと思います。ですので、倉科カナさん演じる麻紀が料理するシーンは、丁寧に撮影をしています。

──ドラマが家事や料理をさまざまな側面から描くことで、世の中の価値観にも変化が生まれているのではないかと思います。ドラマが“働く女性の在り方”や“女性と家事の関係性”を再定義することの意義について、山鹿さんの視点から感じることがありましたら教えてください。