◆レスのイライラは「性的満足がないから」ではない

 閉店後の店で関係をもってしまう陽一と結衣花。送ってもらった車の中で、誠と激しいキスをするみち。

 夫婦は日常生活をともにする関係。「セックスなんてなくても、オレはみちとつながっている」と考えていた陽一だが、みちはそうは考えていない。

『あなたがしてくれなくても』
第4話より
 トイレで誠とメッセージのやりとりをするみちに、陽一は外から「うんこ?」と声をかける。みちがトイレから出ると、今度は陽一がトイレにこもる。声をかけられると、陽一は「うんこ、うんこ」と連発。思わず笑ってしまうようなシーンだが、それこそが日常なのだ。「うんこ」を連発する相手と、ムードのあるセックスなどできるはずもない。神秘性がなくなるから、結婚するとレスになるともいえる。

 片方が拒絶するという形でレスになると、関係はぎくしゃくする。性的満足がないからイライラするのではなく、相手とのコミュニケーションがとれなくなるからイラつくのだ。何を考えているのかわからない、自分に興味や関心がないなら一緒に住んでいる理由がなくなってしまう。