セックスレスという夫婦のタブーに切り込んだ、30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題のドラマを、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

◆無意識の駆け引きに男女の機微が漂う

『あなたがしてくれなくても』第3話より ©フジテレビ
 ドラマ『あなたがしてくれなくても』第3話。なんだかどんどんせつなくなって胸が痛む。目の前のパートナーから心が離れ、他の異性に目が向くと気が楽になる。新しい扉を開け、何かが始まったような気になる。ところが目先の苛立ちがなくなっただけで、根本的な解決には至っていない。

 みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の2組の夫婦はセックスレス。同じ会社に勤めるみちと誠は「セックスレスの戦友」として次第に親しくなっていく。

 ある日、陽一に花をプレゼントされ、うれしいながらも不審な思いを消しきれないみち。夫はそんなことをするタイプではないからだ。確かにセロファンに値札がついているような花束をあえて買ってきた夫は「怪しい」。罪悪感を払拭したがっているようだ。陽一は勤務先のカフェのバイト・結衣花(さとうほなみ)に惹かれ始めていたのだ。

第4話より
 陽一は花をプレゼントしたあと、結衣花とのことが刺激となって妻と久々のセックスに挑むが、結局、最後までできなかった。

 そして誠は結婚記念日にまで妻と交わることはできなかった。