(3)積極的思考が秘めるパワー『富を引き寄せる科学的法則』

(画像=Webサイトより)

米国の思想家であるウォレス・ワトルズが著した『富を引き寄せる科学的法則』は、1910年に初版が出て以来100年以上にわたって読み継がれる名著中の名著だ。

『賢明なる投資家』が投資の手法の基本的心構えを説き、『金持ち父さん 貧乏父さん』がお金に関する態度について教えるとすれば、『富を引き寄せる科学的法則』は、お金を増やすための自信、いや信仰の力を与えてくれる手引きだ。

米『Inc.』誌の書評は、「科学とは程遠い内容だが、何千という資産増殖セミナーに知的枠組みを提供してきた」と絶賛する。その核心は、現在の言葉で言うポジティブ・シンキング(積極的思考)である。現在出回っているポジティブ・シンキングのお金の本はほぼすべて、『富を引き寄せる科学的法則』にルーツを求めることができる。

ワトルズが読者に勧めるのは、自分への積極的な語りかけだ。「私には、金持ちになる権利がある」「私は、お金持ちになった自分を想像することができる」など、自己イメージの鮮明さ、決意と信念の固さで、読者にお金を引き寄せさせるのだ。頭の中のイメージは、現実化してゆく。

事実、ナポレオン・ヒル、ロバート・シュラー、アンソニー・ロビンズら富豪の多くは、自分が金持ちになっている姿を心の中で「先取り」して、実際に富を手に入れたことを告白している。自己イメージ訓練は現代心理学でも取り扱われる科学」でもある。

科学と宗教の境界が必ずしもはっきりしていないことを示唆する内容だ。明確なビジョンを持ち、決意と信念をもち、行動し続けることが富む道であり、それを宗教のように説くのが『富を引き寄せる科学的法則』、お金にまつわる罪悪感や恥の概念を払拭するのが『金持ち父さん 貧乏父さん』、実際の投資の戦いをいかに勝ち抜くかの具体的で基本的な方法論を教えるのが『賢明なる投資家』ということになる。

このように、米国の古典的な「お金の名著」には、名著たる根拠がある。米国人の成功者の思考の本質を教えてくれるからだ。「富」がどこから生まれるのか、どうすれば増えるのか、それはすべて「考え方」次第。その秘訣を、古典から学んでみるのはいかがだろうか。

文・岩田太郎(在米ジャーナリスト)/ZUU online

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