社会と接続しながら、接続しない
出版社社員としてのインタビューという仕事には、「会社員でありながら、会社外の人と交流する」という、絶妙な丁度良さがあった。
なぜこれが、丁度良いのか。
生真面目な人は、仕事が手に付かなくなるほど精神状態が悪化すると、重大な決断を迫られる。このまま我慢して仕事を続けるか、仕事を休むかやめるかして長期療養するか。
前者が苦しいのは当たり前。しかし後者も死ぬほど苦しい。生真面目な人にとって、「会社」と「社会」はほぼイコールだからだ。仕事を休んだりやめたりすれば、社会(会社)との接続が切れてしまう。もう二度と普通の社会生活を送れなくなるかもしれない、という不安。とてつもない恐怖が襲う。
社会とつながりすぎているから、疲れる。しかし社会から隔絶されていれば、不安。では、どうすればいいか。正解は、「社会との接続は保った状態で、しかし、そこにいる間だけは社会と接続しなくてよい場所」に身を置くことである。
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