実家を出たオルガは、男友達のミラや、短期間だったが複数の同性の恋人たちと交流する。しかし、友人も恋人もオルガを深い闇から救うことはできなかった。精神科医も同じだった。次第にオルガは社会全体を敵視し、行動に移すことになる。

ペトル「当時のチェコは精神科、心療内科、神経内科といった医学分野はあまり進んでおらず、オルガを救うことができなかった。もっと医学が進んでいれば、彼女を助けることができたかもしれません」

トマーシュ「オルガは今の言葉でいうLGBTでした。医者・家族・友達が、彼女に対してもっと真摯に、彼女の置かれていた状況を理解することに努めていれば、彼女が凶行に走るのを2~3年遅らせることはできたかもしれない。無差別大量殺人を起こす犯罪者の多くは若者です。オルガもあと数年経っていれば、大人の女性となり、事件を起こさなかった可能性もあったでしょう」