無差別大量殺人はなぜ、どのようにして起きたのか。このシリアスな問題に真正面から迫ったのが、実録犯罪映画『私、オルガ・ヘプナロヴァー』だ。1973年、社会主義国だったチェコスロヴァキアでトラックを暴走させ、8人を死亡、12人を負傷させた女性、オルガ・ヘプナロヴァーを主人公に、彼女の少女時代から23歳で死刑執行されるまでを克明に描いた作品となっている。
チェコ最後の死刑囚となったオルガを演じたのは、ポーランド映画『ゆれる人魚』(15)でセクシーな人魚を演じたミハリナ・オルシャニスカ。愛を求めながらも、自分は誰にも愛されていないと悩むオルガの孤独さを切々と演じている。作家、歌手でもあるミハリナは、2016年に製作された本作での演技が高く評価され、その後も『ヒトラーと戦った22日間』(18)や『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(19)などの実録社会派ドラマで活躍中だ。
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