◆差別的な発言の、その後に

俳優の橋本愛さんが先ごろ、自身のInstagramのストーリーで「体の性に合わせて区分する方がベターかなと思っています」と投稿し、炎上した。後日、「今私が約束することは、今後必ずアップデートし続け、学び続け、そして行動し続けるということです」と真摯な謝罪投稿がされた。

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炎上した投稿も、その後の謝罪投稿も、なんて丁寧で誠実な人なのだろうと感じた。単に身近に当事者がいないのだろう。橋本さんの発言は差別的ではあるだろうが、思いやりがないとは決して思えない。こういう人のためにこそ、実情を知る機会を作りたいと切に思う。

……なんて思っていたら、橋本さんは「悪意なき差別をしないためには、LGBTQ+の方々の経験を、声を聞く必要がある。(週刊文春4月6日号「私の読書日記」より)」と表明されていた。本当に聡明な方なのだと感銘を覚えるとともに「以心伝心じゃん」と、勝手に浮かれてしまった(妄想です、すみません)。

もちろん、私はまだホルモン治療をはじめて日が浅く、メリットデメリットを客観的に評価できる段階ではない。それでも、女性と誤解されないだけでこんなにも生きやすくなるとは思いもしなかった。

ピンクを買ったら女って思われるかなと心配しなくていい。髪を伸ばすと女に見えるからと似合わない短髪にこだわらないで済む。女性が選ぶ職だからと避けていた職種や資格も、いまなら自由に選ぶことができるかもしれない。