安楽椅子探偵の女性と、冴えないおじさんがバディを組む
ミステリーによくいるタイプの探偵に、事件現場に赴くことなく、見聞きした情報から謎を推理し解決へと導く「安楽椅子探偵」がある。この『search/#サーチ2』の主人公も、母が異国の地コロンビアで行方不明になったということもあって、自室からほとんど出ず、PCやスマホから情報収集および推理をしているという点で、安楽椅子探偵の一種であるし、今の時代ならではの探偵と言ってもいい。
そんな安楽椅子探偵には、現場で足を使って捜査をする協力者というか相棒が必要なのだが、本作では「代行サービス業をしていた冴えない中年男性」が相棒というのも面白い。彼は公開されている顧客からの評価は低く、英語もたどたどしく、やる気もあまりなさそうという有様なのだが、それでも2人は次第にお互いを信頼していき、時には仲違いをしてしまったりもする。
今まで縁もゆかりもなかった、利発な18歳の女性と、何から何までダメそうなおじさんが一蓮托生な関係に、いや奇妙な友情が芽生える様は尊い。「年齢も性別も今いる場所も(!)異なる者同士のバディムービー」という側面も持っており、それはデジタルネイティブ世代の安楽椅子探偵という設定があってこそのものだ。
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